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九想詩諺解 【判型】大本2巻2冊。縦260粍。 【作者】坂内直頼作・序。 【年代等】元禄6年秋自序。元禄7年2月刊。刊行者不明。 【備考】分類「漢詩・注釈」。上巻は蘇東坡作「九想詩」の注釈書、下巻は「貝葉ノ金句并ビニ倭漢ノ明言」。九相図とは、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を9段階にわけて描いた仏教絵画。九相図の場面は作品ごとに異なり、九相観を説いている経典でも一定ではない。『大智度論』『摩訶止観』などでは以下のようなものである。①脹相(ちょうそう)-死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。②壊相(えそう)-死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。③血塗相(けちずそう)-死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。④膿爛相(のうらんそう)-死体自体が腐敗により溶解する。⑤青相(しょうおそう)-死体が青黒くなる。⑥■相(たんそう)-死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。⑦散相(さんそう)-以上の結果、死体の部位が散乱する。⑧骨相(こつそう)-血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。⑨焼相(しょうそう)-骨が焼かれ灰だけになる。──死体の変貌の様子を見て観想することを九相観(九想観)というが、これは修行僧の悟りの妨げとなる煩悩を払い、現世の肉体を不浄なもの・無常なものと知るための修行である。九相観を説く経典は、奈良時代には日本に伝わっていたとされ、これらの絵画は鎌倉時代から江戸時代にかけて製作された。大陸でも、新疆ウイグル自治区やアフガニスタンで死屍観想図像が発見されており、中国でも唐や南宋の時代に死屍観想の伝統がみられ、唐代には九相図壁画の存在を示唆する漢詩もある。仏僧は基本的に男性であるため、九相図に描かれる死体は、彼らの煩悩の対象となる女性であった。題材として用いられた人物には檀林皇后や小野小町がいる。檀林皇后は信心深く、実際に自身の遺体を放置させ九相図を描かせたといわれる(Wikipedia参照)。 ★原装・題簽付(上巻のみ)・状態良好。記名・蔵書印なし。【参考価格(出品時の相場):日本の古本屋で、2巻揃いが、27,~120,】。
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九想詩諺解
【判型】大本2巻2冊。縦260粍。
【作者】坂内直頼作・序。
【年代等】元禄6年秋自序。元禄7年2月刊。刊行者不明。
【備考】分類「漢詩・注釈」。上巻は蘇東坡作「九想詩」の注釈書、下巻は「貝葉ノ金句并ビニ倭漢ノ明言」。九相図とは、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を9段階にわけて描いた仏教絵画。九相図の場面は作品ごとに異なり、九相観を説いている経典でも一定ではない。『大智度論』『摩訶止観』などでは以下のようなものである。①脹相(ちょうそう)-死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。②壊相(えそう)-死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。③血塗相(けちずそう)-死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。④膿爛相(のうらんそう)-死体自体が腐敗により溶解する。⑤青相(しょうおそう)-死体が青黒くなる。⑥■相(たんそう)-死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。⑦散相(さんそう)-以上の結果、死体の部位が散乱する。⑧骨相(こつそう)-血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。⑨焼相(しょうそう)-骨が焼かれ灰だけになる。──死体の変貌の様子を見て観想することを九相観(九想観)というが、これは修行僧の悟りの妨げとなる煩悩を払い、現世の肉体を不浄なもの・無常なものと知るための修行である。九相観を説く経典は、奈良時代には日本に伝わっていたとされ、これらの絵画は鎌倉時代から江戸時代にかけて製作された。大陸でも、新疆ウイグル自治区やアフガニスタンで死屍観想図像が発見されており、中国でも唐や南宋の時代に死屍観想の伝統がみられ、唐代には九相図壁画の存在を示唆する漢詩もある。仏僧は基本的に男性であるため、九相図に描かれる死体は、彼らの煩悩の対象となる女性であった。題材として用いられた人物には檀林皇后や小野小町がいる。檀林皇后は信心深く、実際に自身の遺体を放置させ九相図を描かせたといわれる(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付(上巻のみ)・状態良好。記名・蔵書印なし。【参考価格(出品時の相場):日本の古本屋で、2巻揃いが、27,~120,】。
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